MISのデメリット

MISにおける問題点としては以下の項目があげられる。

1.手術適応に限界がある。

まず、手術適応であるが従来のスタンダードTKAではほぼ全例に対応できるのに対し、MIS TKAでは適応に限界がある。
たとえば、術前の変形が強い症例(内反膝ではFTA190度以上や外反膝では165度以下)や骨粗鬆の強い症例では禁忌である。なぜなら、狭い術野において無理な力を加えると骨折などの合併症のリスクが高まるからである。
また、再置換術や骨切り術後なども適応とはいえない。高度の肥満や体格の大きい男性などの適応にはなりにくい。

2.手術手技が難しい

手術手技については、ある程度の経験が大切である。専門的になるが、人工膝関節置換術を成功させる最も大切なポイントは正確な骨切りによるアライメントの獲得と、適切な軟部組織バランスの獲得である。
しかしながらMIS TKAにおいてはこれらの大切なポイントを獲得するのが難しいのである。

3.術後長期成績がわからない

MIS TKAがまだ比較的新しい手術方法であり、術後10年~15年といった中期から長期の報告が発表されていない。
したがって、MIS TKAを受けた患者さんの長期予後はわからないのである。

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