最小侵襲手術(MIS)の定義

最小侵襲手術(Minimally Invasive Surgery: MIS)の定義

手術侵襲は創傷治癒とかストレス反応と考えられるため、人工膝関節置換術におけるMISもこれらを考慮する必要がある。

手術に関しては皮膚、皮下組織、筋肉、骨、骨髄を扱うので、理想とすると最小侵襲という点では、小さな皮切(皮膚切開)、可能な限り少ない皮下組織の剥離、筋組織への最小切開、最小の骨切除、骨髄の温存と言うことになる。

しかし、実際は人工関節の形状で骨きり量は決まるためにこれを少なくすることは出来ない。ただし、皮膚切開(皮切)に関しては、従来の15~18cm程度から8~10cm程度のMISのほうが、皮下組織の剥離や当然少なくなり、患者さんに与える侵襲はより少なく、美容的にも心理的にも良い影響を与えると考えられる。

その反面、MISは従来のTKAと比較して手術視野が狭いために、手技が難しく時間が掛かることが多い。手術時間が長くなればその分患者さんに与える侵襲は大きくなるため、より高度の技術と知識、経験をもった専門医が行う必要があると考える。

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