軟骨について

変形性膝関節症ではクッションの役割を果たしている「軟骨」がすり減って、炎症を起し、骨の変形や膝関節の痛みを引き起こします。

では、ここで変形性膝関節症の痛みの原因となっている「軟骨」とはどんなものなのでしょうか。

関節軟骨(かんせつなんこつ)

関節本来の目的は可動性と支持性です。実は関節軟骨はこの2つの働きを担っているのです。つまり、関節が滑らかに良く動き、重い体重を支えられるように、骨を弾力性のある切り餅状の半透明の薄く覆っている(2~5μm)の物質が関節軟骨です。
この関節軟骨は、コラーゲンという硬い「タンパク質」がスポンジのような構造をして、その間にコンドロイチン硫酸とケラタン硫酸のというコンニャクのような物質が沢山つまって出来ているのです。
この構造のおかげで、関節軟骨は関節を滑らかに動かしたり、思い体重にも耐えられ、さらには走ったりスポーツをしたりする大きな衝撃にも耐えられるのです。

ヒアルロン酸について

化粧品として、あるいは医療薬品として多く使われている「ヒアルロン酸」ですが、一体どんなものなのでしょうか。ヒアルロン酸の多くは、関節の内面を覆っている滑膜(かつまく)の細胞が、関節液とともに産生してできています。
関節を曲げたり、荷重をかけたり、スポーツにて圧迫されることによって、ヒアルロン酸は、関節軟骨の表面と表面の間にできたひだ(由来)の間に挟まることによって、大きな分子がギュッと圧縮されます。
このヒアルロン酸が圧縮されることによって、関節免を接触しないように押し広げている働きをしているのです。この働きによって、関節軟骨の表面を摩擦によってすり減るのを防いで、長年にわたり関節を使いやすい状態に保っているのです。

▼変形性膝関節症や関節リウマチでは、関節液の主な成分であるヒアルロン酸が酵素の影響で壊されてしまうため、本来のヌルヌルがしなくなってしまいます。その場合、関節内注射で、新しいヒアルロン酸を関節内に注入すると痛みが少なくなり、歩きやすくなるのです。
ちなみに、ヒアルロン酸のネバネバした物質で、自動車におけるオイルやグリースなどの働きもしているのです。

PREV
NEXT