アクリルセメントにてステムを固定する方法

イギリスのJohn-Chamleyというドクターが1962年にステム(大腿骨側に挿入する棒状の形をしたもの)にステンレスのボールを使用しました。

変形性股関節症で傷んだ骨頭を摘出し、そこに球状のボール(金属球)を挿入、臼蓋(ソケット)の部分に超高分子ポリエチレンのソケットに置き換えた手術を行いました。

これらの部分が骨セメントというアクリルポリマーで作られたいわゆる接着剤で固定されています。なお、ボールのサイズやステムは個人の体格や大きさによって決められます。
当然、何種類も組み合わせがあり最も適したサイズを用います。

材質ですが、ほとんどのボールはコバルトクロム合金、もしくはセラミックで作られています。(写真2A、2B参照)

傷んでしまった関節部分を人工物に置き換える(置換する)し、しっかりと固定することで早期に痛みから解放され、日常生活動作が改善します。

ただし、問題点もあります。手術後10~15年ほどでさまざまな理由で部品が緩んでしまうことがあります。

また、耐久性の問題もありますので、比較的若い方や運動量の多い方に対しては、骨セメントを用いない方法が一般的であり推奨されています。

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