人工膝関節置換術が必要な膝関節の状態

実際に、人工膝関節置換術が必要になる膝関節とはどんな状態なのでしょうか?

レントゲンで見てみると、「関節裂隙(かんせつれつげき):大腿骨と脛骨の間の間隙」が狭くなったり、進行した例では殆ど消失しています。

これは、関節軟骨や半月板がすり減ったり、断裂したり、消失したりしているためです。繰り返し骨に負荷がかかると、骨の表面は傷つき、本来の滑らかさを失いデコボコになって、硬くなっていきます。そして骨棘(こつきょく)といわれる骨のトゲが出来てきます。

さらに進行して、関節の破壊が高度になってくると、膝関節の滑らかな動きは出来ず、スムーズに動かなくなり、時にはひっかかったりします。当然痛みも増強していきますので、荷重(体重)をかけられなくなってきます。

このような関節軟骨や骨の破壊を起す病気の代表例として、「変形性膝関節症」と「関節リウマチ」が挙げられます。

これらの疾患に対して、内服や外用剤、関節注射などの薬剤療法、機能訓練を中心とした理学療法、そして装具療法などの保存的治療を行っても効果の得られない場合や効果の少ない場合は「人工膝関節置換術」が行われます。

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