二次性変形性股関節症のメカニズム

二次性変形性股関節症の病態メカニズムとして、臼蓋と骨頭の(生理的な)位置関係の破掟があげられます。

これは、臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼などによって、臼蓋と骨頭の生理的(正常)な位置関係が崩れるために(ボールとソケットが合わない)、臼蓋と骨頭の接触面積が減ってしまうことによって生じると考えられています。ここでもう一度関節軟骨について触れます。

痛みを伴わず、滑らかな動きを可能にしているのが関節軟骨ですが、実はこの関節軟骨はボールの部分である骨頭とソケットの部分にあたる臼蓋の生理的な接触と適度な圧迫によって正常に機能しているのです。

もともと、関節軟骨は滑液(関節液)から栄養を受けていますが、この生理的な接触と適度な圧迫(生理的な位置関係)が破掟すると栄養を受けられません。

もし、臼蓋と骨頭の正常な位置関係が壊れると、このように軟骨は滑液からの栄養が途絶えてしまいます。つまりは磨耗、変性を起こしてしまいます。当然、この変性は軟骨だけにとどまらず、周囲の骨、滑膜、腱、筋肉へ悪影響を及ぼします。

このような状態が続くと、軟骨と骨は破壊と修復反応を繰り返します。そうして次第に進行し、関節の変形が完成されると考えられています。

PREV
NEXT